大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和33(あ)1197 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人武藤鹿三の上告趣意第一点は判例違反をいうが、所論判例は本

件に適切でなく、その余は単なる法令違反の主張であり(第一審判決掲示の名古屋

地方検察庁作成に係る指紋対照方照会と題する書面及び京都地検執行係発信、名古

屋地検公判部受信の専用電信訳文書によれば、所論昭和二五年一〇月三〇日確定し

た被告人の窃盗未遂懲役一年二月(未決勾留三〇日算入)の刑は、同二六年三月一

五日執行され、同二七年四月一三日刑期満了したことが明らかであり、(所論仮釈

放の日は刑期満了の日となるものではない)一方原判示の犯行は同三二年三月一二

日行われたというのであるから、右は右刑期終了の日から五年以内に行われたこと

となり、従つて被告人に対しては刑法二五条一項二号によつて執行猶予を附するこ

とができないとした原判示は正に正当である。なお原審は被告人の前示前科執行の

日を前示専用電信等によつて認定していることが原判文によつて十分窺い得るので

あるから、論旨引用の判例は本件に適切ではないのである。)同第二点は量刑不当

の主張であり、被告人Bの弁護人長屋多門の上告趣意第二点ないし第四点は事実誤

認、単なる法令違反、量刑不当の主張を出でないものであつて、

以上、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない、なお右長屋多門の上告趣意

第一点は違憲を主張するが、憲法三七条二項は裁判所は被告人又は弁護人から申請

した証人は不必要と思われる者まで悉く尋問しなければならないという趣旨でない

ことは当裁判所判例(昭和二三年(れ)第二三〇号、同年七月二九日大法廷判決集

二巻九号一〇四五頁以下参照)の示すところであるから所論は採るを得ない。

よつて刑訴四〇八条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三四年二月五日

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

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